風が、吹いた
教室は1―C。
3階建て校舎の3階のど真ん中だった。
少し息を切らしながら席に着くと、すぐに現国の先生が入って来る。
ーセーフ。
私の席は一番後ろの窓側。誰もが羨む特等席だ。
先生の視線からは完璧シャットアウトされる。
ー今日もご飯は佐伯さんの所でごちそうになってしまうのかな…
安堵の息を吐きながら、まだご飯のことから頭が離れない。
不甲斐ない自分自身に呆れて、今度は溜め息を吐いた。
ー今日は金曜日だし、バイトが終わったら、食材を買いにスーパーに寄るか。
黒板をぼんやり見つめながら、そう決めた。