風が、吹いた









どのくらい寝ていただろう。



喉が渇いて、ひりつく痛みに、私は再び目を覚ました。




「…せんせい」




水をもらおうと、三城を呼ぶ。



だが、しばらく待っても誰かがこちらに来る気配がしない。



怠い身体を起こしてカーテンを引くと、保健室に誰も居ないのが、わかった。



ー仕方ない。自分で水を汲みに行くか。



のろのろと布団から足を抜いて、ベットの下にきちんと揃えられてある上履きに突っ込んだその時。



ガラッ




突然開いた保健室のドアを、反射的に見てしまう。



カーテンという遮断する物がなくなった今、私と、入ってきた人物とは、面と向かい合う形になる。



お互いが、息を呑んだ。
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