風が、吹いた
そして。
「こないだ…屋上で、俺ひどかったろ。」
言いながら肩を落とし、片手で頭を抱える。
「あんな所見せて、千晶に幻滅されたんじゃないかって思ったんだ。」
かっこわりぃ、と独り言のように付け足した。
どうやら、吉井が正しかったらしい。
確実に熱が上がっている私は、朦朧としながら安堵の表情を浮かべた。
「…良かったぁ…」
ー貴方が私をなかったものとしなくて。
私のこと、考えてくれていて。
これからも友達で…
ううん。そうじゃなくて………
「私」
目の前の彼の肩に手を置く。
「先輩のことが好きみたい」
私は―
次に目を覚ました時には、この時のことを、すっかり忘れてしまっているのだけど。
後日聞いた話によると、彼に抱きとめてもらう形で、気を失ったらしい。
「こないだ…屋上で、俺ひどかったろ。」
言いながら肩を落とし、片手で頭を抱える。
「あんな所見せて、千晶に幻滅されたんじゃないかって思ったんだ。」
かっこわりぃ、と独り言のように付け足した。
どうやら、吉井が正しかったらしい。
確実に熱が上がっている私は、朦朧としながら安堵の表情を浮かべた。
「…良かったぁ…」
ー貴方が私をなかったものとしなくて。
私のこと、考えてくれていて。
これからも友達で…
ううん。そうじゃなくて………
「私」
目の前の彼の肩に手を置く。
「先輩のことが好きみたい」
私は―
次に目を覚ました時には、この時のことを、すっかり忘れてしまっているのだけど。
後日聞いた話によると、彼に抱きとめてもらう形で、気を失ったらしい。