風が、吹いた
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―「くらもっちゃん!?」
バスケの授業の途中で、くらもっちゃんが倒れた。
朝から様子がおかしいなとは思っていた。
椎名先輩のことを、やけにすんなりと、話したことにも内心驚いた。
明らかに周囲に心を開き始めたくらもっちゃんが、また寂しげになったことに気づかないわけがない。
だって、私はずっとくらもっちゃんと友達になりたかったから。
でも、彼女はいつも他人に付け入る隙を与えてくれなくて、あっという間に半年も経っちゃって。
失敗したな、もっと早く声を掛けるべきだったって今では思っている。
そしたら、1番は椎名先輩なんかじゃなく、2番は浅尾なんかじゃなかったはずなのに。
悔しいけど、椎名先輩のお陰で、私はくらもっちゃんと話すことができた。
感謝なんてしてやんないけど。