風が、吹いた
席に座って、ちらと自分の成績に目をやる。
試験の時は、基本、バイトを休んでも良いことになっているが、椎名先輩のこともあってなんとなく今回はそのままでいたから、内心、少し不安だった。
いつもと変わらない成績を維持できたことに安堵する。
「っくしゅん」
「…何、くらもっちゃん、もしかしてまた風邪ぶり返したの?」
怪訝な顔して、吉井が訊いてくる。
「ん。ちょっと、ね。」
作り笑いで誤魔化した。
「そういや、日曜雪降ったよなぁ。。。」
後ろで、ぽつり、浅尾が呟いた。
「…くらもっちゃん…顔赤くない?まさかまた熱が…」
額に触ろうとする吉井を制する。
「大丈夫だから。」
早く席替えしないかなと、強く願ったのは言うまでもない。