風が、吹いた
HRが終わり、冬休みの約束を取り付けている、1-Cのクラスの面々。
「冬休み、どっか行く予定あんの?」
浅尾が、帰ろうとする私に声を掛けた。
「…バイト」
浅尾の眉間に皺が寄る。
「健全な、高校生じゃ、ねーな。」
吐き出すように言う。
ー余計な御世話だ。
「冬休みには、イベントが盛り沢山だろーが。」
ー放っておいてほしい。
「クリスマスだろ、大晦日だろ、元旦だろ」
指折り、力説する。
ーあの、私帰りたいんですけど。
「くらもっちゃん、冬休み遊びに行こうよー。セール!元旦セール行こうよ!」
そこに、吉井が加わった。