風が、吹いた

「椎名先輩とは、どうするの?」




浅尾の言葉が直球で私にぶつかる。




「…どういうこと?」




私、今どんな表情(かお)してるんだろう。




「いや…倉本さ、、椎名先輩の受ける大学、知ってるのか?」




朝から、爆弾。




「………知らない」




思わず、唇を噛んだ。




「…しらねぇんだ。。」




驚いたようにそう言うと、浅尾がまた視線を階段に落とした。




「っ、ちょっと、無神経じゃない?」




私は我慢することに決めたのに。話してくれるのを待とうって思ってるのに。




「!ちがっ…」




慌てて何か言おうとした浅尾に背を向けて、足早に教室へ向かった。
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