風が、吹いた
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「2人とも、そろそろ休憩室いってなさい。今日は少し忙しかったし、コーヒー淹れてあげるから。」
閉店作業をしていると、佐伯さんから声が掛かった。
今日もきっと佐伯さんは夕飯を作ってくれているだろう。
ー困ったな。ひとりで気兼ねなく食べるのは好きだったけど、この人と食べるのは心底嫌だ。
そんな私の気も知らずに。
「はーい、ありがとうございます」
椎名先輩はのんびりと返事をした。