風が、吹いた




________________________






「2人とも、そろそろ休憩室いってなさい。今日は少し忙しかったし、コーヒー淹れてあげるから。」




閉店作業をしていると、佐伯さんから声が掛かった。



今日もきっと佐伯さんは夕飯を作ってくれているだろう。




ー困ったな。ひとりで気兼ねなく食べるのは好きだったけど、この人と食べるのは心底嫌だ。




そんな私の気も知らずに。



「はーい、ありがとうございます」




椎名先輩はのんびりと返事をした。



< 31 / 599 >

この作品をシェア

pagetop