風が、吹いた
ー私のこと、知ってたんだ。
ベッドに仰向けになりながら、手の甲を瞼に当てる。
ーなんで?どうして?どこで?いつ?
自分が知らない所で知られていたのか、それとも私も知ってるはずなのに忘れているのか。
そもそもそれを私に伝えて、椎名先輩はどうしたいのか。
関わらなくていいと決めた矢先に、これか。
ーとりあえず…
眠…
緊張と闘い続けた身体は、くたくた。
容赦なく襲ってくる眠気に勝つことなどできずに、私はそのまま眠りに落ちた。