風が、吹いた
「良いから」
私よりも手際良くまとめていく様子を見ていると、段々諦めもついてきて。
「…ありがと」
仕方なくそう伝えた。
確か浅尾は運動部だった気がするから悪いような、でも助かるという相反する気持ちで。
そんな私を、作業しながらちらっとみた浅尾が、少しだけ笑ったように見えた。
仕事の早い浅尾と2人で黙々と作業した結果、担任から頼まれていた仕事は、考えていたよりもずっと短時間で終わった。