風が、吹いた
ーなんであんなこといわれなきゃならないんだろう。
「失礼します」
苛々しながら、職員室に入ると、私に気づいた担任の小澤が手をあげた。
「お、倉本。ありがとさん」
出来上がった書類を渡すと、そう言った。
「しかしお前があんなにがっつり余所見してるなんて珍しいよな。」
アンケートの集計結果に目を通しながら、小澤が話す。
「あの、私用事があるので帰ってもいいですか?」
会話のキャッチボール拒否。
「あ、ああ。わかった。次からは気をつけるんだぞ」
「はい。すみませんでした。失礼します」
綺麗にお辞儀をして、職員室から出る。
只今の時刻は17時5分。
ー間に合うかな。
急いで昇降口に向かい、着替えに家に帰った。