風が、吹いた
子供じみた、我が儘。
勝手に自分の居場所だと、お気に入りの場所だと決めたものを、ただ、他の人も使ったってだけ。
そしてその人を気に掛けてる自分を、第三者から指摘されたってだけ。
自分はなんてちっぽけなんだろう。
なんて小さい人間なんだろう。
「千晶……?」
困惑したような声が名前を呼ぶ。
きっと先輩には、私が言っていることは伝わらないだろうし、理解できないだろう。
自分は自分の中での、小さな囲いの中で、他を中に入れないで、ひとりでやってきたはずだったのに。
このままここにいたら、いけない。
私、言ってはいけないことを言ってしまう。