君と奏でる音[前編]


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 これはさっき話した『私の過去』の続きになるのかな。
私がピアニストを目指し始めた頃の話。


 それは突然だった。なんの前触れもなく私を襲った。
母さんの死が大きかったのかもしれない。ついに精神が壊れたのかと思った。


 いつものように一人でピアノを弾いていると、胸が苦しくて心臓が張り裂けそうになったの。
そして上半身から崩れるように椅子から落ちた。



私は想った。



ピアノは…私を受け入れていない。
私を拒んでいる。





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