君と奏でる音[前編]
ガチャ…。
玄関で母さんと話をした人は何故か家に上がってきた。
そして笑顔で手を振っている。
「やっほー!まさかお母さんが居るとは思わなかったよ」
「やだ、奏介。あんたの彼女?」
なんで…。
「何で君がいるんだっ!!」
Why??
何の用だよ!?
八瀬さんは僕の母さんに向かって堂々と言った。
「実はお母さん。私は奏介君とコンクールに出るのです」
「…え?本当?」
「はい!費用は私が免除します!なのでご安心を!」
「待ってよ!僕いいって言ってな…っ」
僕は息を飲んだ。だって…