いちご飴と君。


文化祭前日だから、教室はお化け屋敷化している。


「ずいぶんリアルよねー。」

「本当だよねー?」

私の隣で恋乃ちゃんが言う。


「恋乃ちゃん、2日目は水上くんと?」

「まぁ、ねぇ?」

私はあはは、と軽く笑う。

「…美雨、無理しないで。」

そんな笑えてない?

はぁ…


「ん。ありがと。」


あれからもちろん翔くんと話してないし、目も合わせてない。


「美雨ちゃん」

後ろから水上くんの声を振り返ると、

「きゃぁぁぁぁっ!」

水上くんが生首を持っていた。


「ふはっ、予想通りの反応してくれるねえ?」


うう。


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