いちご飴と君。
わたしの頭の中は翔くんに盗られたメロンパンのせいで午後の授業は集中できなかった。
…翔くんめぇぇっ!
「HR始めるぞ〜」
ドアの前で騒いでた男子の頭を出席簿で軽く叩いて担任が入ってきた。
「ごうれーい」
「きりーつ、れーい」
「「「おねがいしまーす」」」
あー、メロンパン…
「最近この辺でストーカーが出てるらしい。女子は気をつけて帰れよー」
「ストーカーが男子を狙ってたらどうするんですか!!」
1人の男子がガタッと立った。
「ホモかおネェか女子だろ。お前ら、頑張れば勝てるだろー」
「負けるかも…」
「弱っ!」
ギャハハ…
担任雑だな…
あぁ、私のメロンパン…
「て事で気をつけろよー。ごうれーい」
「きりーつ、れーい。さいならー」
ガタッガタッとみんな帰り始める。
「美雨。帰るぞ。」