いちご飴と君。


私はその場に崩れ落ちた。


グイッ…

ふわっと、慣れない香りが私を包み、
気づくと、私は倉田くんの腕の中にいた。

「…泣くなよ。」


「翔くっ、ふぇっ…」

「俺、倉田。」

知ってるよ。


翔くんに会いたい。

ごめんなさいって言わなきゃ。


そう思うけど、あんな怒ってる翔くんは初めてで。

お前なんて言われたのも初めてで。

喧嘩なんて、初めてだ。

あんな怖い翔くんも初めて。


「…送るよ。」

「ふっ、うぐっ…」


私は倉田くんに手を取られて歩き出す。

< 84 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop