いちご飴と君。



ガラガラッ。


教室に入ってきたのは、翔くんだった。

一瞬目があって、すぐに女子に囲まれた。


「見て〜?翔くん、鈴森さん!ビショビショ〜!やだよね、あぁゆうの。」

…あなた達がやったんでしょ!?

とか言う勇気はないし。


そのすぐあとに倉田くんが来た。

「鈴森!?ビショビショじゃん!ウケる!」

「なんでっ!?」


本当に倉田くんといると気が楽になる。

机の落書きは倉田くんが来る前に消せたから良かった。


もう一度翔くんを見ると私なんかいないかのように女の子と楽しそうに喋ってる。

「…鈴森。ちょっと来て。」


ぐいっと引っ張られる。

それに抵抗せずについて行く。



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