いちご飴と君。


近づく文化祭当日。

着々と準備は進み、もうすぐ完成、と言うところだった。

私のイジメも酷くなる一方。

性格も暗くなる一方。

「はぁぁぁ…」

ヒヤッと冷たい何かが頬に当たった。

「ひゃっ!!」


「幸せ逃げるぞー」

「倉田くん!」

そこには満足そーな笑顔の倉田くん。

「吐き出す幸せもありませんよっ!もおぉ!」

ほんとそう思う。

倉田くんの幸せ分けて欲しいぐらい。


「そんな貴方にプレゼント!」

「え?」

倉田くんが差し出したのは冷たいイチゴオレ。

「いいよ!悪いし!!」

「俺、甘いの無理なんだよねー。間違えて買ったから貰って?」


甘いの苦手なのか。

でも倉田くんの分…

「ほら!あ、俺呼ばれた!またね!」


イチゴオレを私に押し付けて去っていった。

< 99 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop