いちご飴と君。
近づく文化祭当日。
着々と準備は進み、もうすぐ完成、と言うところだった。
私のイジメも酷くなる一方。
性格も暗くなる一方。
「はぁぁぁ…」
ヒヤッと冷たい何かが頬に当たった。
「ひゃっ!!」
「幸せ逃げるぞー」
「倉田くん!」
そこには満足そーな笑顔の倉田くん。
「吐き出す幸せもありませんよっ!もおぉ!」
ほんとそう思う。
倉田くんの幸せ分けて欲しいぐらい。
「そんな貴方にプレゼント!」
「え?」
倉田くんが差し出したのは冷たいイチゴオレ。
「いいよ!悪いし!!」
「俺、甘いの無理なんだよねー。間違えて買ったから貰って?」
甘いの苦手なのか。
でも倉田くんの分…
「ほら!あ、俺呼ばれた!またね!」
イチゴオレを私に押し付けて去っていった。