☆Friend&ship☆ -序章-
「なんか難しい奴だな」
「…申し訳ありません…?」
物凄く不安げなケイナ改めオリオン。
ハテナいらないだろ。
「取り敢えず船来てくれるか?」
「…」
___かちゃっ…
なんだ?
なんか差し出してきてない?
「くれるのか?」
「…」
オリオンはうつむきかげんにこくんと頷く。
「ありが…!」
手の中を見ると黒い何か。
それが何かわからないほど俺は馬鹿じゃない。
「首輪…」
相変わらずこっちを死んだ目で見つめてくるオリオン。
なんだ、つけてくれと?
「…ふぅん。まあいいか。俺もペットは欲しかったし」
血も通ってなさそうな蒼白な肌に漆黒の首輪はよく映えた。
「男がいいよな、美青年っぽくしてくれる?あと気位が高そうに。気は強くてさ。線は細いの」
ツウと首輪にはめられた鎖を撫でながら、俺はオリオンを見た。
多少なり落ち着いた風のオリオンは静かに命令を待っているようだった。
「口調はため口。生意気に話せよ」
希望を言ううちにどんどんその姿になってくる。
いいな、ペットか…
そう思ったけど、揺れる瞳を見るうちにこっちまで悲しくなってくる。
そんなことを思っているといつの間にか貴族風の少年がたっていた。
「これでいいだろ。チビ」
うわぁムカつく~(笑)
「サンドバックもいいか?」
「…好きにしろよ」
さすがに怖がってるのか、態度は挑発的でもまた眼が揺れてる。
どうやら瞳に気持ちがよく出るらしい。
虐待とかはしないし、取り敢えず安心してもらわなきゃな。
「冗談だよ。優しくしてあげるから安心してくれれば」
「っ…」
あれ、今度はあらか様に怖がったような…
トラウマ有るみたい…
いや、こんな生活でないほうがかえって異常かもだけど。
「とにかく、船行くか」
まだおびえてら。