☆Friend&ship☆ -序章-
「はじめまして副船長。俺はキングです。これからお世話になります」
「…ああ、よろしく…」
あえてタナトスは気丈にふるまう。
ふつうにみれば頼りになる副船長に見えるだろう。
ゼウスはイラッとして舌打ちした。
ついでとばかりに綺麗な笑顔を浮かべ、タナトスは左手を差し出す。
軽くキングが小首を傾げ、同じく左手を差し出した。
「…」
視線を絡ませ、まるで気が付かなかったかのようにタナトスが笑った。
「分からないことがあれば何でも聞いてくれ」
「了解」
キングもにこりと笑い返す。
「そういやさ、言い忘れてた」
ゼウスがふて気味に言った。
「そいつ、お前の主治医な」
「…?」
「じゃーがんばってなー」
「…ああ」
いつもの表情に戻った後、いつもの返事をした。