☆Friend&ship☆ -序章-
「…」
カタカタと震える金髪。
目の前で震えている持ち主を放っておくわけにはいかない。
「…」
後ろ手にゼウスを庇うようにして俺は立った。
「ダメ…」
「…」
消え入るような声。
それでもなお俺を止める。
「行かないで…」
「…」
表情は崩さず、でもゼウスを安心させる。
俺は服の裾を引くゼウスの手を軽く握ってやった。
「…」
震えている。
フルフルと。
何かを恐れるように。
「…」
「イヤ…」
それでも少し落ち着いたゼウスに気をそらし、俺は今しがた聞いた声の持ちぬしに思いをはせた。