☆Friend&ship☆ -序章-
「…まず方角のことは知ってるな
平面での東西南北と上下で晋慶(シン・ケイ)。
つまり東西南北晋慶だな。
ここまでいいか」
「…」
こくんと頷く。
よく見ればなかなか整った顔たち。
相当女にはモテるな。
「…それでさっきの重力だが、
これは宙間原則の欄に充てられている。
読んだことはあるか」
「…あるけど字が小さすぎて読めなかった」
「…読む気なかったんだろ」
なんなんだ、こいつは。
俺は他人に興味はないが、世間ではきっと俺やこいつのことを馬鹿というのだろうな…
「物体があるとき、常に引力は存在しまた働く。
重度、方向は様々でありまた範囲もまばらである。
…理解できたか」
「とりあえず難しいことだけは」
「…諦める」
ごめんなさいと言わんばかりに俺を見つめてすりすり頬をすり寄せる。
「…」
正直言わせてもらうと、前世は犬か猫な気がする。
金色の髪が首に触れそうになって俺はのけぞり押し戻した。
「…離してくれ」