☆Friend&ship☆ -序章-

静かにため息を漏らしながら俺は目の前の生徒を見つめた。

何も知らない。

ほんとに何も知らない。

馬鹿だ。馬鹿だ。

「船の進行の仕方は」

「ワープ」

「…」

「…」

「…」

「…」

「のみか」

「イェス」

「…良く生きてこれたな…」

俺は尊敬したくなってきた。

良く死ななかった。

なんて強運。

ま、‟王族”の一人なら関係ないか…

「いいな

最も基本的なのは星の引力を使った航空法だ。

船には帆がある。それを使う。

かなり微少だが銀河の中にいるかぎり常に四方八方から引力が働いている。

帆は360度回転する。

晋(上)方向に進めたければ慶(下)の引力が上回っていないことを確認して帆を水平に向ける。

肝心なのは反対方向の引力の強さだ。ここまでいいな」

「ん」

「それを観測するのは航空術士と呼ばれる観測者。天気と一緒だな。取り敢えずは」

「へぇ…」


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