☆Friend&ship☆ -序章-
「ゼウス、俺は」
「かわいくない!?マジか!超美女!!」
「ゼウス、帰りた」
「キミキミーなんて名前!?」
「はーい!」
「…」
オリオンはあきらめてゼウスの後をついていった。
見事に八頭身を形作る完璧すぎるスタイル。
整いすぎた顔たち。
ゼウスはオリオンのそれを利用した。
そして、店中の視線を二人占め!
アイドルのような顔たちのゼウスは、それだけでも十分魅力的だが、大人びた静けさを持つオリオンも相当な美形。
つまり鬼に金棒。
「」
案の定、女どころか男も釘づけ。
「カッコいい…」
店中からため息。
それに対し、いい加減照明で頭がくらくらしてきたオリオンは目の端にまだ幼い少女をとらえた。
とたんに具合がよくなり、ポーカーフェイスよろしくオリオンは驚きを隠した。
「…オッドアイ。」
冷たくつぶやくオリオン。
「ドシタ?」
「…」
「あぁ、分かってるって。マジで呪われてんのか確かめようぜ」
オリオンの暗い瞳で見つめられゼウスは真面目に笑う。
「…」
「せっかちな奴だな」
そんなゼウスを背に、オリオンは少女に向かって歩を進めた。