☆Friend&ship☆ -序章-
「おい、お前」
凍るような声が頭から振りかけられ、少女はブルブルと震えた。
「なんて名だ」
「…」
恐る恐る顔を上げて息をのむ音が酷く大きかった。
「名前だ。あるのか、ないのか」
「…イーリス…」
「へえ」
「…」
「…」
降りる沈黙。
「ドわ!!」
それをぶち壊す悲鳴。
「ゼウス…」
「ここ滑るんだも~ん」
「…で。」
「宜しく」
「はい。キャプテン」
一礼するとオリオンはこの事態を見つめていた観衆を暗い瞳で見つめた。
曇って、光の消えた瞳で。
「…冷火-氷山」
足元から湧き上がる冷たく青い炎。
それは空気を凍らせ、観衆と…
「なんでお前も出るんだよ馬鹿!!」
「…知るか」
オリオンを隔離したが、すぐに壊された。
「やり直し!!」
「。」
今度はちゃんと三人を隔離。
「いじけるな!!」
「…誰がいじけてるって」
「ごめんなさい。もう言いません」
素直にゼウスは謝り、少女に向き直った。