☆Friend&ship☆ -序章-
「あ、お帰り~♪」
「...」
「あっ、初めましてヒアースです…」
帰ったタナトスを迎えに出たゼウスに連れられ、藍色のショートカットの少女が恥ずかしそうにうつむく。
「あっ、副船長!俺はケアノスです!海のリーダーになりました!」
しっかりと敬礼の姿勢をとったスカイブルーのポニーテールの少年。
タナトスは何も返さない。
「ハドュス!ぺトライ!お前らも自己紹介しろ!」
「マジか!すげーイケメン!キャプテンに負けず劣らず!」
芝生さながらのわしゃわしゃ頭の少年がタナトスを見て目を円くする。
「スティラ…お前失礼だぞ…」
「いーだろ!俺は山のリーダーっ!」
「敬語を使え。…俺はハドュスです。副船長、よろしくお願いします」
茶色のくせっけをがしがしとかきながらハドュスは頭を下げた。
「私はペトライ。岩です」
死んだような目に灰色の髪をした少女がいった。
「全員個性的だな」
「「「「「そうですか?」」」」」
「ああ。」
いつもにまして絶対零度のタナトスは凍りついた視線を投げ掛けた。
「「「「「…」」」」」
揃って息を飲むリーダー達。
「おいおい(笑)脅してやるなよタナトス^ ^」
「…」
ニコニコ笑うゼウスを一瞥してタナトスは船内にはいった。
「いつもはもう少し優しいんだけどなぁ…あ、緊張してんのかも♪
くくっ可愛いやつだなーもー///」
ゼウスはにやにやしながら船内にはいった。
「気持ち悪いな。」
「「「同感」」」
「…私はそうは思わないけど」
ペトライの呟く声は誰にも聞こえず、広い砂漠に消えた。