☆Friend&ship☆ -序章-
「ねみぃ…」
「キャプテーン!」
目を擦りながらのキャプテンの登場。
クルーたちと山部隊リーダー スティラは声を揃えて叫ぶ。
「あ、おはよ~♪」
「…」
零度どころか氷点下に突入しそうな冷たさでタナトスも現れる。
ちなみに船長ゼウスは見るものをポカポカさせるような微笑。
…二人はどこまでも対照的だった。
「お前ら昨日はよく眠れた~?」
「はいっ!快適でした!」
またもやクルーは口を揃える。
「…船長、一つ疑問があるのですが」
「ん?なんだぺトライ」
「私は魔法に関しては少なからず知識があります。
私たちの乗る前はあなた方三人で航空されていた模様。
ですが総隊長(イーリス)は無論、船長も魔法は使われない様子。
それなら当然副船長が魔法使いであるんですが、一人の"魔力”では到底たった一日であんなに立派な船室は作れないと思います。
私が知りたいのは副船長が何者か、そのことです」
「ふ~ん…なかなかいい推理♪さすが可愛い俺のk「どこで知った。魔力のことはいくらデス・プラネットでも人間には認知度は0に限りなく近いはずだぞ」
「おーい。タナトスくん?船長が喋ってたよね、今」
完全に氷点下を下回った冷気を放つタナトスの前でゼウスは手を振る。
「…調べたの。興味があって」
「…なぜ興味を持った」
「さすがに目のつけどころが違う…。副船長…"ヴァン”?」
「…」
「…くくっ…偉いお嬢さんが来たもんだ」
「…」
「睨むなよ…怖いやつだな♪」
「わざとだな…」
「イヤイヤイヤ、ソンナコトハゴザイマセンワ。」
「…誰にも口外するな。ぺトライ」
「…まるで敵ね、副船長。」
「…」
「?」
ぺトライ以外のリーダー以下全員首をかしげているこの状況。
タナトスはもはや血液が凍らないのが不思議なほどの冷気をかもしだしていた。
「酷いよ…俺を置いていかないで…」
ゼウスはまたもや人知れず涙を飲んだのだった。