☆Friend&ship☆ -序章-
「…それはさておきだ、これを見ろゼウス」
「?」
「…お前が俺に頼んだやつだ」
「ああ、もう描いてくれたのか。サンキュ、タナトス」
「…それでいいか見てくれ。」
「…」
「…」
「…」
「…」
タナトスは無表情のまま、くるくると巻かれたフラッグを広げるゼウスを見つめる。
「…」
「…(パァァァァ」
「…」
___メシッ、メシメシッ…
「ゴボッ…ウググ…」
明らかに妙な音を立てている骨に比例して、タナトスの呻き声は大きくなる。
ゼウスは気にする様子もなく瀕死のタナトスを抱き締めていた。
「コロ、サレル…」
必死で拷問から逃れようと身を捩るタナトス。
それをクルーは呆れてみていた。
___メシッ…ボキィッ…
「あぁ…」
「折れたね、今完全に」
見事に口を揃えるクルー。
ゼウスはまだ離さない。
「う、あぁ…」
生理的な涙を止められないまま、苦しそうに足掻いていたタナトスも遂に力尽きた。
「ありがとう、ありがとうっ!」
___バキィッ!
「グハァッ…!」
とどめの一撃に目を見開いてぐったりとタナトスは動かなくなる。
「あり?どったのタナトス?」
「遅っ!!」
ハドュス、ぺトライを除いたクルーが叫んだ。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
「おい、大丈夫か?」
「う、うぅ…療治…強制再生…」
キラキラと魔力の結晶がタナトスの周りに集まる。
「ゼウス、あぁ…やっぱり俺のこと殺す気」
「いや?」
ニコッと笑う無邪気なゼウスはいろんな意味で殺人犯だった。
(ブハァァァ…)
(その笑顔は反則ですよ…)
(…)