☆Friend&ship☆ -序章-
「やれ」
船長とやらの命令でケイナちゃんは俺に襲い掛かってきた。
「…」
「っ…!?」
なんだよ、強い!?
「くっ…」
「…」
回し蹴り、跳び蹴りと仕掛けて来たあと、肘で鳩尾を狙ってくる。
寸ででかわすと間髪を入れずかかと落とし。
今のところかわすのが精いっぱい。
何でこんなに強いんだよ…っ
「…っあ!!」
「…!」
女の子らしくなく俺を殴り飛ばそうとしたケイナの右手をつかむと、ちょうど傷口だった。
ケイナは一瞬だけ苦しそうに顔をしかめてそのあと一気に腕を引いた。
「させねぇ…」
物凄い力だったが、やっぱり弱っている。
左手もつかむと思いっきり押し倒した。
「あっ…」
ここまでこればこっちのもの。
バチンバチンと右手で火花が散る。
それを首筋に当てるとケイナは小さな悲鳴を上げて気絶した。
「ひぃっ!!」
今度は船長のほうを睨んだ。
ケイナちゃんの実力はこんなものじゃないことは確か。
こいつらが散々虐待してきたせいで弱り切ってたんだ。
さっきも、あの傷口さえなければ俺は勝てたかどうか。
「殺す」
取り出したサバイバルナイフで俺は船長の首をはねた。