☆Friend&ship☆ -序章-
ケイナちゃん一人失っただけでこれだ。
目の前に無残に転がる雑魚どもの死体。
逃げ惑うもんだからムカついて殺した★
さあてと、ケイナちゃんを起こすか。
「…え?」
「あなたの理想の人形になります。どうぞご希望をお聞かせください」
いつの間にか目の前にはケイナちゃんとは似ても似つかない少年。
格好いい…
いやいや違う。
口調からしてこの人はケイナで、でもケイナはケイナじゃなくて…
分からん…
「ケイナは、前のご主人様のご希望です。
食費もかからず、ストレス発散のサンドバッグとしても活用できます。雑務はすべてこなし、残虐な行為も何の抵抗もなく命令に従います。さらに首輪をつければ観賞用のペットや人形にもなりうる、お買い得品です。」
「あ、そう…」
「どうぞご希望をお申し付けください。貴方様の理想の人形になります」
「じゃあさ、その死んだ目をどうにかしてくれる?」
「…何色でしょうか…あの、釣り目のほうがいいということですか…?性格は…おとなしめですか、それとも…」
「そういうのいいから、中身のない表情どうにかならないの?」
「え…」
「てか名前は?」
「お好きなようにお付けください」
「じゃあオリオン。ほんとの名前なんなんだよ」
「オリオンです」
「…死んだ表情はどうにもならないか」
「…笑ってませんか…?」
怯えきってるのか真っ白に血色の悪い唇はやや口角が上がっている。
どんだけうまく笑えないんだ。
「笑ってるつもりなのか?」
「一応は…」
声は無感動でも、俺には死刑宣告を待つばかりの囚人が笑っているようにしか見えなかった。
「そんなに俺が怖いか?」
「そんなことありません」
嘘つけ。
まるで感情がなさそうな瞳はろうそくの炎のように揺れているのに。