聖夜は恋の雪に埋もれて
第3章 クリスマスイブ

グラン・オルロジェにて

 そして、翌24日―――。
 冬期講習の授業を終え、いったん自宅へ帰った私は、支度を済ませて4時半には家を出た。
 自宅から、レストランまでは10分ほどなんだけど、念のために少し早めに。

 4時45分には、お店に入って従業員さんと話をし、17番テーブルへと案内された。
 やはり、鉄平君はまだみたい。
 4時半頃まで用事があるって言っていたから、まだ終わってないのかも。
 私は、静かに待ち続けた。



 やがて、5時まであと10分くらいになった。
 鉄平君、まだかなぁ。

 そのとき、お店のドアが開き、誰かが入ってきたみたいだ。
 この席からは、衝立(ついたて)が邪魔で、誰なのか見えないけど。
< 24 / 33 >

この作品をシェア

pagetop