十二月の向日葵







中学校くらいかなーって思ってたら、おれの3つ下だった。




やがて父さんが女の子と帰ってきて色々話聞いたよな。








美咲がどんだけ苦労してたのかとか、あの時おれ泣いちゃったんだよな。





父さんが離婚して前の奥さんに親権取られて美咲が前妻に付いていって、




なのに、その奥さん、美咲をモノみたいに扱ってたって。





初めは同情でしかなかった。






美咲と話すのも、同じ食卓囲むのも、正直いい気持ちではなかったけど、しかたないよなって、それで片付けてた。







甘かったわ。






美咲はぎっしり身の詰まった果実のような性格の持ち主だった。






なんだろ、例えて言うなら…
















太陽かな。













今までの辛いこと、全部なかったみたいに明るいんだ。









でも、丈夫なものでもいつかは終わりがくるだろ、
おれ、不安だった。






だからさ、そんな美咲のこと好きになることなんて簡単だった。








3つ下だぜ?下手すりゃ、いや、しなくても妹みたいな感じなのにさ。








でも美咲も同じだった。







俺が高校卒業して、家出るとき、美咲は泣いたよな。






恥ずかしいけど、その時美咲とはじめてのキスしたの、覚えてる?











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