狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録
クラスメイト
シュウに支えられ、アオイは1年の教室を目指すが…血のにじむ両膝はガクガクと震えだし、力がまるで入らない。
(…あとで保健室に行って診てもらおう…)
ズキズキと痛み始めた患部を気にしながらも、平静を保とうとするアオイ。それもこれもシュウに気負いさせないためのアオイの優しさだった。
「一時限目が終わったら…保健室いこうな」
申し訳なさそうに顔を向けるシュウ。きっと彼も責任を感じて付き添ってくれるつもりなのだろう。
「うん…ありがとシュウ。でもこんなのすぐに治るから責任感じなくていいからね」
にこりと笑顔を見せたアオイにシュウの顔はどんどん赤くなっていく。
「かっ、帰りも家まで送るからな!!先に帰ったりすんじゃねぇぞ!?」
「…家まで…?」
「あったりめぇだ!!この傷は俺のせいなんだからな。完全に治るまで朝も迎えに行ってやるぜ!」
(ま、まずい…これは非常にマズイ…)
「あ、…ありがとー?」
冷や汗をかきながら曖昧な返事をしたアオイ。しかし彼にはそれが傷の痛みによるものととらえたようで…
「お前痛いんだろ!!やっぱ先、保健室いくかっ?!」
と、勘違いしたシュウの声が廊下にこだまするのだった―――