狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録
意味深な発言
いくつかの班に分かれ、それぞれの目の前に置かれた茶碗へと抹茶と湯を注ぎ…茶筅(ちゃせん)を手にした生徒たちがゴクリと緊張に喉を鳴らす。
茶菓子を配りながら大きく円を描くように座る生徒たちを平等に見てまわるセンスイ。茶筅を手にした者たちひとりひとりを指導しながら、彼は穏やかな笑みを浮かべている。
(よかった…センスイ先生シュウにもちゃんと教えてくれてる)
ソワソワと事の成り行きを見守っていたアオイだが、余計な心配はいらなかったようだ。
するとセンスイは一人の青年の前で立ち止まり、ゆっくり正座し手元を眺めている。
「アラン先生、筋が良いですね。生徒たちにモテるのも頷けます」
「いいえ…センスイ先生こそ、医療の心得までお持ちになっているとは…私の生徒を助けてくださりありがとうございます。それもわざわざ…」
「横抱きにして連れてくるなど…普通の神経では考えられない事だ」
語尾を強めるアレスの瞳は鋭く、敵意をむき出しにした男の目だった。
「それは…彼女だからお怒りになられているのですか?それとも、生徒だから心配しているのですか?」
「…後者に決まっている」
明らかな苛立ちを見せるアレスをからかうようにセンスイは薄い笑みを浮かべている。
「安心いたしました」
意味深な言葉を残し、優雅な動作で離れていくセンスイ。
(どういう意味だ…)
彼の背を見つめるアランは少なからず胸騒ぎを覚えた。
茶菓子を配りながら大きく円を描くように座る生徒たちを平等に見てまわるセンスイ。茶筅を手にした者たちひとりひとりを指導しながら、彼は穏やかな笑みを浮かべている。
(よかった…センスイ先生シュウにもちゃんと教えてくれてる)
ソワソワと事の成り行きを見守っていたアオイだが、余計な心配はいらなかったようだ。
するとセンスイは一人の青年の前で立ち止まり、ゆっくり正座し手元を眺めている。
「アラン先生、筋が良いですね。生徒たちにモテるのも頷けます」
「いいえ…センスイ先生こそ、医療の心得までお持ちになっているとは…私の生徒を助けてくださりありがとうございます。それもわざわざ…」
「横抱きにして連れてくるなど…普通の神経では考えられない事だ」
語尾を強めるアレスの瞳は鋭く、敵意をむき出しにした男の目だった。
「それは…彼女だからお怒りになられているのですか?それとも、生徒だから心配しているのですか?」
「…後者に決まっている」
明らかな苛立ちを見せるアレスをからかうようにセンスイは薄い笑みを浮かべている。
「安心いたしました」
意味深な言葉を残し、優雅な動作で離れていくセンスイ。
(どういう意味だ…)
彼の背を見つめるアランは少なからず胸騒ぎを覚えた。