狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録

巻き戻された時間

と、前触れもなく光が弾け…あまりのまぶしさに一瞬目を閉じたアオイ。


同時に、センスイの手がアオイからゆっくり離れていく。





―――そして静寂の中、光が徐々におさまっていくと…





「あれ？アラン先生にセンスイ先生も…授業始まっちゃうよー？」


「はやくぅっ!!こっちこっちっ!!」


と、アランとセンスイの隣を狙う生徒たちの声で茶室内が賑わいはじめた。


「あちゃー…これじゃあ楽しくおしゃべりってわけにもいかないか…」


再びｶﾞｯｸﾘと項垂れるミキ。


繰り返された言動からここにいる者たちのわずかな時間、記憶が戻ってしまっていることがわかる。


「…ごめんね、ミキ」


二度も悲しい思いをさせてしまった友人にアオイの胸がｽﾞｷﾘと痛んだ。


「え？なんでアオイが謝るの？」


記憶が戻ってしまった彼女はもちろん、アオイの謝罪の意図がわからないでいる。それでもアオイは謝らなければ気が済まないのだ。


「ねぇミキ、この状況じゃ三時限目は無理だけどさ…」


「私…アラン先生にランチのお誘いしてみるよ」


「……」


無表情のままこちらを見つめアオイの出方を待っているアランと、償いの意味も含めてミキに出来る精一杯の事をするつもりでいるアオイ。


「マジ！？アオイ本当に！？嬉しいぃぃっっ!!」


「うんっ」


嬉しそうなミキの顔に頷きながら…自称・アランの気を損ねないために、さらにはセンスイを巻き込まないためにもこれが一番良い方法なのだとわかった。

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