狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録
"彼女"の存在
「…そうですね。あの方以外はすべて…私たちには不要なものでした」
顔を上げたセンスイの瞳と己のそれが交差する―――
先程までのあたたかい彼の眼差しはもうどこにもなく…センスイの瞳はまるでアオイを拒絶するような…氷のように冷たいものとなっていた。
すると自分の意志とは無関係にポロポロと零れ落ちるアオイの涙。
「…私は…っセンスイ先生と、仲良くなりたいっ…」
「…っ…」
涙声のアオイの言葉を耳にし、わずかに浮き上がった右手を強く握りしめるセンスイ。
そして彼は…それ以上見ていられないとばかりに静かに背を向けてしまった。
「…行きましょうクジョウ…私の力が必要なのですよね…?」
「あぁ…その前に一言いっておきたい事がある」
「…なんでしょう」
黒髪の青年が低い声をさらに下げてセンスイを睨んだ。
「一目でわかった…お前は彼女の代わりを探しているだけだ」
彼の言葉にはっと目を見開いたセンスイ。
しかし…
「…そう見えますか?…まったく代わりにもなっていませんけどね」
黒髪の青年と視線を合わせることなく、ふふっと笑いながら歩き出したセンスイ。
そして数歩先で立ち止まったセンスイは振り返り、こう呟いた。
「そこの姫君は無関係です。クジョウ、助けていただいた事に感謝はしておりますが…」
「…彼女に危害を加える事だけは絶対に許しません」
顔を上げたセンスイの瞳と己のそれが交差する―――
先程までのあたたかい彼の眼差しはもうどこにもなく…センスイの瞳はまるでアオイを拒絶するような…氷のように冷たいものとなっていた。
すると自分の意志とは無関係にポロポロと零れ落ちるアオイの涙。
「…私は…っセンスイ先生と、仲良くなりたいっ…」
「…っ…」
涙声のアオイの言葉を耳にし、わずかに浮き上がった右手を強く握りしめるセンスイ。
そして彼は…それ以上見ていられないとばかりに静かに背を向けてしまった。
「…行きましょうクジョウ…私の力が必要なのですよね…?」
「あぁ…その前に一言いっておきたい事がある」
「…なんでしょう」
黒髪の青年が低い声をさらに下げてセンスイを睨んだ。
「一目でわかった…お前は彼女の代わりを探しているだけだ」
彼の言葉にはっと目を見開いたセンスイ。
しかし…
「…そう見えますか?…まったく代わりにもなっていませんけどね」
黒髪の青年と視線を合わせることなく、ふふっと笑いながら歩き出したセンスイ。
そして数歩先で立ち止まったセンスイは振り返り、こう呟いた。
「そこの姫君は無関係です。クジョウ、助けていただいた事に感謝はしておりますが…」
「…彼女に危害を加える事だけは絶対に許しません」