狂気の王と永遠の愛(接吻)を・センスイ編収録

放課後の職員室で

―――アオイの傍に居たいと希望したばかりに、副担任とまでなってしまったアランはペンを握りしめたまま開かれたノートをじっと見つめていた。


ここは放課後の職員室。


いくら加減したとは言え、術を受けていなかったセンスイに、神剣を弾き返したクジョウ。彼らの謎は多く、結論を出すには手がかりが少なすぎる。


(やつらの正体がわからぬ今、アオイを城から出すべきではない)


「……」


そして、無言のまま動きを止めたアランに熱視線を向けるのは女教師たちだ。


『あれが噂のアラン先生っ!?こんなイケメンどこに生息してたんですのっ!?』


『そそ！一年の臨時講師だったらしいけどさ、もう副担任まで任せられてるらしいよ？それだけ有能って事よね～っ！！』


『この学園の厳しい基準にクリアして飛び込みで教師になったのって、センスイ先生以来じゃなくって…？』


「……」


(…飛び込みで教師に…？あの男が？)


自身の事を噂されても全く耳に入っていないアランだったが、センスイの名があがったとたん、聴覚と視覚が彼女らに興味を示した。


『えっ！アラン先生こっちみてますわっ!!』


『きゃーっ!!どうしよ!!メイク直しておくんだったぁ!!!』


アランの視線が向けられると、興奮した彼女らはセンスイの話をやめてしまった。


すると…


「…その話、詳しく聞かせていただきたいのだが」


彼女らに詰め寄ったアランだったが、そこで大きな過ちを犯してしまった。





「　よ　ろ　こ　ん　でーっ❤」





したり顔の満面の笑みで口をそろえた彼女たち。
不覚にもアランは…センスイの話をダシに食事へと駆り出されてしまったのである―――