魅了する女騎士
「憎しみは、憎しみしか生まない。
貴方がこんなことしたら、もっと傷つく。
貴方も、村人も。
そして、ミーナちゃんも。」
彼女はそう言って俺の後ろを見た。
「…ミーナ。」
後ろを見るとミーナが震えていた。
「おねがい、ぷーと。もういいよぉ」
小さなミーナは魔族特有の赤い瞳から
涙を流しながら言った。
「もう、いいの…!
おねぇちゃん!ぷーとを許してっ!
みーなが、ぜんぶ、わるい、の。」
ミーナは彼女にそう訴えた。
彼女はミーナに歩み寄った。
「やめろっ!ミーナに手を出すなっ!」
俺は彼女がミーナを始末するのかと思った。
しかし彼女は剣をしまうとミーナを抱きしめた。
「大丈夫。そんなことしないよ。
辛かったね。
わたしたち人間のせいでごめんなさい。」
そう声を震わせて言った。
この時俺は、彼女の言葉が本当に
彼女の言った通りになる気がした…