プリムラ・オブコニカ
席につき、荷物を下ろすと可愛らしいハスキーボイスが聞こえた。
「あの…名古屋さん…だよね?」
あんな奇抜な挨拶をしたにも関わらず、私に話しかけてくれる子がいた。
たぶん神だ。
顔を上げると、それはそれは愛らしい女の子が居た。神じゃなかった、天使やこれ。
「うん…そうだよ!あ、名古屋さんじゃなくてエリカって呼んでほしいな…良かったらだけど。」
そう返すと、天使のような微笑みを見せてくれた。
「えっと、じゃあエリカ…僕は仙台亜祢(せんだい あね)っていうんだ。アネって呼んで!」
ほああああ!僕っこだあああ!
すごい…僕っこ美少女なんてどこのアニメだ…!
しかも、春なのにネックウォーマーつけてる!これはアニメキャラクターでいうマフラーとかリボンとかのアイテムか!
「よ、宜しくアネ!」
「ふふ、声震えてる…こちらこそ宜しくねエリカ…鼻血出てるよ…」
「えっ」
溢れるアネへの好感度が止まらないように、私の鼻血も止まらなかった。