プリムラ・オブコニカ
あれ、今この人さらっと毒を吐かなかったか?
「ん?今何て言ったかよく聞こえなかったんですけど」
「弱そうだねって言ったんだよ」
「あ、『か弱そう…守ってあげたい!!』ですか分かりました。」
「『か』はいらないし、なんで余計な言葉が付け足されてるのかな?」
こ、コイツ…いや先輩だしコイツは失礼か。いや松江先生には『呪ってやる』とかいってるから大丈夫か。
「ねえ」
兎に角、この先輩…水戸…菖蒲だっけ?
「ちょっと」
確か何かそんな名前のこの先輩は、私が聞こえてない振りをしてあげたにもかかわらず、こんな酷いことを言ってくるなんて…
「聞いてる?」
極悪非道な人間に違いない!!
「絶対バカみたいなこと考えてるよね。すごいアホ面だよ?あと人の話は」
「ゆ、許さん!!乙女のフェイスを馬鹿にするなどあってはならない………絶対に勝ってみせる!水戸菖蒲先輩!!」
「人の話は聞きなよって言ったそばから…。てか『しょうぶ』って誰なの?俺は水戸忍(みと しのぶ)なんだけど」
「えっごめんなさい。あまりに興味なかったか……、ワタシナニモイッテマセン」
「俺はツッコミじゃないからあんまりボケられても反応できないよ?」
「フン、つまらぬ男よ…いたっ!ちょっ、ほっぺつねらないれくらひゃい!!」
「ははは」
こいつ、私の真っ白ほっぺをつねりやかだった!
しかも笑顔だけど全力で力込めてる!!いたっ、めっちゃ痛いぞ!!まだひりひりする!