プリムラ・オブコニカ
「まあ、こんなくだらないことに時間を使いたくないし、早く勝負しようか。」
なんか一々言動が鼻につくなこの人。
でもそりゃそうか。学校の決まりで面倒くさい勝負をしなきゃいけないなんて、最悪だ。
私が早く家に帰りたいのと同じように、水戸先輩も早く家に帰りたいんだろう。
きっと『早くお家に帰ってパンケーキ作らなくっちゃ☆』とか考えてるんだよね。きっとそうだ。
「なんでだろう、今無性に君のこと叩きたいんだけど。すごい失礼な想像されてる気がする。」
「や、やだなあ先輩ったらバイオレンスゥ」
「……はあ、まあいいや。勝負の説明をするよ」
「は、はい」
「君には今から僕がこの学校のどこかに隠した鍵を見つけてもらう。ちゃんとヒントはあるよ」
「え、その勝敗はどうやって決めるんですか?」
「一時間以内に見つけられたら、君の勝ち。見つけられなかったら、君の負け。ほら、これがヒントの紙」
「あ、ありがとうございます…」
ん?ありがとうございますってのもおかしいのか。
とか考えながら紙を開くと、日本地図が書いてあった。そこには線が引いてある。
「は?」
「それがヒントだよ。じゃあ今から始めね。よーい…スタート」
「え、ちょっと待って」
「ほら、早くしないと時間切れだよ?あ、因みに勝負に負けると価値のない人間と見なされて最悪退学だからね。」
「は、はあああああ!?」