プリムラ・オブコニカ
そんなことを考えているうちに、職員室に着いた。
ノックをして、「失礼します」。なんだか久しぶりだな、この言葉を言うのは。
おじいちゃんみたいな思考に陥っていると、先生が出てきた。
「お、お前が転校生か。俺は担任の松江だ。」
…お、おお…!
思わず目をひんむいてしまった。
すっげえ…若い超絶イケメンの担任なんて本当にいたのか!!
栗色の髪にアイスブルーの目。世の中の男性の平均的な顔面偏差値を優に越えている。
こ、この人は本当に存在しているのだろうか。
ちょっとイケメンすぎて信じられなくなってきた。
……よし、挨拶をして返事が返ってきたら人間、返ってこなかったら、彼はこの地に古くから伝わる幻の精霊ということにしよう。
「こ、こんにちは…名古屋恵理香です。宜しくお願いしやす…」
声が上擦ってしまった。
しやすってなんだよ!恥ずかしい!穴があったら入りたいとかじゃない、棺桶の中で永遠の眠りにつきたい!
「お、礼儀正しいな。こちらこそよろしく」
どうやら若い超絶イケメンの担任の先生は実在するようです。