プリムラ・オブコニカ


〔松江side〕


正直、我ながら顔は整っていると思う。

ナルシスト発言に聞こえるかもしれないが、この顔で今まで得も損もして生きてきたんだ。
多少自惚れてもバチは当たんねえだろ。

街を歩けば五回は声をかけられるし、女も自然と寄ってくる。

小さい頃からの夢だった教師になってもそれは変わらない。
良い立場を築くために、ちょっと笑いかけて下の名前で呼んで、いい人エピソード聞かせりゃ告白されまくり。

こっちに下心なんか微塵もないのに、勝手に勘違いして告白してきて、フれば号泣。意味わかんねえ。

でも、一度つけた良い人の仮面はとれなくて、結局変わらない。


転校生が来ると聞いて、またかと仮面を被り、人の良さそうな笑顔で接する。

予想通り、一瞬俺の顔を見て驚いていた。
名古屋恵理香、コイツも同じだな。


< 8 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop