【短】壁ドン シミュレーション
壁ドン シミュレーション
久しぶりの休日。
今日は日曜日だけれど、彼と休みが合致し、やっと休日が来たって感じがする。
私は平日出勤をし、土日が休日。
しかし彼は仕事の都合上、基本平日出勤なのだが土日まで通勤していた。
約2年半彼と共に同棲はしているけれど、付き合ってはいない。
当然結婚もしていない。
お互い恋人もいない。
昔からの幼馴染同士、部屋を共有しているだけ。
寝る部屋も隔離されて別々だし、今までに彼とは何もない。
そして、腐れ縁の幼馴染と、2年半同じ屋根の下で暮らしていると、
最初は新鮮だった同棲もなかなか新鮮味がなくなってきた。
…そして現在、私はソファを陣取って寝転び、くつろぎにくつろいで雑誌を読んでいる。
彼は、私にソファを取られているのでカーペットの上に座りテレビを見ていた。
こうして二人でごろんをしてこそ、休日。
「ねぇ」
「なんだ」
テレビから目を離さず、彼は生返事だった。
いつものことだ。
彼も同棲には新鮮味などなくなっているのだろう。
…いや、元々あったのかわからないけど。
「壁ドンって、なに?」
雑誌の特集に目が止まった。
教師の仕事をしている彼なら、なんて答えるだろう。
「壁にドンだろ」
「…」
いや、それはわかるんだけど。
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