【短】壁ドン シミュレーション
「同じコップで間接キスさえも…、意識する」
「へ?」
同じコップ?意識?
…なんのこと。
「あ、あの、綾さん、それって、」
変に敬語になってしまう。
まさか、と思う。顔に熱が集まるのがわかる。
「…ああ、そうだよ。ていうかお前もさ、気づけよ」
「え、え、えええええっ!」
「うるさいな」
信じられない。信じられない、信じられない…!
彼がまさか…、え?
「…私のことが、好きってこと?」
私は直球に聞いてみた。
私から視線をうまくそらしていた彼の目を捉えて。
「――ああ、そうだよ。お前が…紗奈が、好きだ。」
私は聞いた。
今、20年以上付き合ってきた幼馴染から、告白の言葉を。