君の名を呼んで 2
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「へえ~!」
両頬に手を当ててニコニコと聞くすずに、そんな昔話を聞かせていた私だけど。
ニコニコがニヤニヤに変わった瞬間、しまった、と気づく。
「あ、あのね、すず。このこと、城ノ内副社長には」
「ええ~どおしよっかなああ」
く、ここに優秀なスパイがいた事をすっかり忘れてた。
「もう十何年前の話だし、ただの子供の思い出だからね?」
「それでも、城ノ内副社長はヤキモチ妬きそうだけど?だって副社長の初恋は雪姫ちゃんでしょ?」
うーん。
私達がひそひそと話をしていると、自分のシーンが終わったらしいかなちゃんが戻って来た。
私とすずを見比べて、訝しげに問う。
「雪姫、お前女優じゃないの?」
ああ、そうか。
彼は私が役者を辞めた事を知らないんだ。
「色々あって、今はBNPのマネージャーなの。かなちゃ……月島さんは凄いね、ちゃんと俳優になったんだ」
私の言葉に、彼は苦笑した。
「月島さんて、止めろよ。要でいい」
「え……と、じゃあ、要さん」
「要」
呼び捨てで呼べと促されて。
確かに今は彼も26歳だし、かなちゃん、てわけにもいかないよね。
でも呼び捨ても戸惑うな。
うちの所属俳優でもないのに、馴れ馴れしすぎないかしら。
「へえ~!」
両頬に手を当ててニコニコと聞くすずに、そんな昔話を聞かせていた私だけど。
ニコニコがニヤニヤに変わった瞬間、しまった、と気づく。
「あ、あのね、すず。このこと、城ノ内副社長には」
「ええ~どおしよっかなああ」
く、ここに優秀なスパイがいた事をすっかり忘れてた。
「もう十何年前の話だし、ただの子供の思い出だからね?」
「それでも、城ノ内副社長はヤキモチ妬きそうだけど?だって副社長の初恋は雪姫ちゃんでしょ?」
うーん。
私達がひそひそと話をしていると、自分のシーンが終わったらしいかなちゃんが戻って来た。
私とすずを見比べて、訝しげに問う。
「雪姫、お前女優じゃないの?」
ああ、そうか。
彼は私が役者を辞めた事を知らないんだ。
「色々あって、今はBNPのマネージャーなの。かなちゃ……月島さんは凄いね、ちゃんと俳優になったんだ」
私の言葉に、彼は苦笑した。
「月島さんて、止めろよ。要でいい」
「え……と、じゃあ、要さん」
「要」
呼び捨てで呼べと促されて。
確かに今は彼も26歳だし、かなちゃん、てわけにもいかないよね。
でも呼び捨ても戸惑うな。
うちの所属俳優でもないのに、馴れ馴れしすぎないかしら。