君の名を呼んで 2
しばらくはされるがまま、彼の熱を感じていたけれど。
「……あ、あの、皇」
繰り返されるキスに、さすがに呼吸が乱れて。
胸元で柔らかく動く指にも羞恥を感じて。
「あの、ここでは、ちょっと。……病院、だし」
はだけた服は意味をなさずに肩から滑り落ちる。
「こ……やだ、皇ってば」
「やだ?なら止めていいのか?」
彼は私の恥じらいなんて、考慮してくれるどころか愉しんでいる様子で。
「“こんなになってるクセに”」
「ーーな、な、何言って!」
まるでAVの台詞みたいな、超ド級のドS発言をかまして。
その手が、裾を割って中に滑り込んでゆくーー。
「ん……ッ」
「城ノ内さん、ここはラブホじゃないんですけどね」
「ーーっ!?」
呆れた様子の声が、病室に響いた。
その聞き覚えのある声に、私は瞬時に真っ青になる。慌てて皇を押しのけて、服を直した。
「……いいところで」
チッと舌打ちする皇は羞恥心も動揺も無くて。
おいおい、どうしてあなたそんなに尊大なのと言いたくなってしまう。
「まあ、見過ごして差し上げても良かったんですけどね。梶原さん、回診の時間ですよ」
カルテ片手に現れたのは、冴木先生。
ここ、冴木先生の勤めてる病院だったんだ。目が覚めたら病室だからわからなかったわ。
ややパニックになっている私の前で、皇と冴木先生は平然とやり取りをする。
「なら見過ごせよ」
「その様子だとあなた、小一時間じゃ止まらないでしょう。俺に残業しろと?」
男性同士の気安い言葉とその内容は、見た目お上品な冴木先生の口から飛び出すとは思えないものだったけれど、知り合いに“現場”を見られた恥ずかしさに、私は真っ赤になって皇を睨んだ。
ーー皇のせいなんだから!!
「……あ、あの、皇」
繰り返されるキスに、さすがに呼吸が乱れて。
胸元で柔らかく動く指にも羞恥を感じて。
「あの、ここでは、ちょっと。……病院、だし」
はだけた服は意味をなさずに肩から滑り落ちる。
「こ……やだ、皇ってば」
「やだ?なら止めていいのか?」
彼は私の恥じらいなんて、考慮してくれるどころか愉しんでいる様子で。
「“こんなになってるクセに”」
「ーーな、な、何言って!」
まるでAVの台詞みたいな、超ド級のドS発言をかまして。
その手が、裾を割って中に滑り込んでゆくーー。
「ん……ッ」
「城ノ内さん、ここはラブホじゃないんですけどね」
「ーーっ!?」
呆れた様子の声が、病室に響いた。
その聞き覚えのある声に、私は瞬時に真っ青になる。慌てて皇を押しのけて、服を直した。
「……いいところで」
チッと舌打ちする皇は羞恥心も動揺も無くて。
おいおい、どうしてあなたそんなに尊大なのと言いたくなってしまう。
「まあ、見過ごして差し上げても良かったんですけどね。梶原さん、回診の時間ですよ」
カルテ片手に現れたのは、冴木先生。
ここ、冴木先生の勤めてる病院だったんだ。目が覚めたら病室だからわからなかったわ。
ややパニックになっている私の前で、皇と冴木先生は平然とやり取りをする。
「なら見過ごせよ」
「その様子だとあなた、小一時間じゃ止まらないでしょう。俺に残業しろと?」
男性同士の気安い言葉とその内容は、見た目お上品な冴木先生の口から飛び出すとは思えないものだったけれど、知り合いに“現場”を見られた恥ずかしさに、私は真っ赤になって皇を睨んだ。
ーー皇のせいなんだから!!