君の名を呼んで 2
言われてない!
その後来てくれた遥さんはお手製のケーキを持参してくれて。
私たちはお互いの旦那様のSっぷりを暴露し合った。
「でね、大学の前まで来て、友人に私のことを報告させるんですよ。誰と話したとか、誰と居たとか。また友人が面白がって喋っちゃうの」
「ああ、わかる!私もすずに報告されちゃうもの!えー、冴木先生ってばホントにヤキモチ焼きなのね」
「違いますよ、“ヤキモチ焼く自分”と、それに振り回される私を楽しんでるだけなんだから!」
ノロケ半分な奥様トークにひとしきり花を咲かせていると。
「はーるーかちゃん」
ドアから顔を覗かせたのは一人の白衣の男性。
ゆるく曲線を描く明るい色の髪に、楽しそうにきらめく瞳。軽妙な雰囲気だけど憎めない感じ。整った顔は見るからにモテそう。冴木先生のクールビューティとは対照的な、けれどかなりのイケメン。
もしかして。
「水瀬先生、ダメですよ。玲一から言われたでしょう?雪姫さんの病室には入室禁止って」
遥さんが笑いながら言う。
やっぱり、噂の水瀬医師なんだ。しかし、どれだけ厳重警戒されてるわけ?
「心外だな。ご挨拶に来ただけですよ。初めまして、雪姫さん。外科医の水瀬陸と申します」
会釈する姿は一見、紳士的で柔らかいけれど。
「それ演技、ですよね」
彼は『人当たりのいい水瀬医師』を演出しているように見える。一瞬の表情はもっと隙が無くて、私のことを見透かすような視線をしていた。きっと体調とか、顔色とか、相手に不安を与えないよう、瞬時に判断していたんじゃないだろうか。
失礼かな、と思いつつ言えば、水瀬先生は軽く目を見開いた。
「さすが、城ノ内君の奥さん」
「水瀬先生、雪姫さんには通用しませんよ。元女優さんなんですから」
やはり彼の本性を知っているらしい遥さんが言う。
その言葉に、水瀬先生はニヤ~っと笑った。
ああ、イケメン台無し。
私たちはお互いの旦那様のSっぷりを暴露し合った。
「でね、大学の前まで来て、友人に私のことを報告させるんですよ。誰と話したとか、誰と居たとか。また友人が面白がって喋っちゃうの」
「ああ、わかる!私もすずに報告されちゃうもの!えー、冴木先生ってばホントにヤキモチ焼きなのね」
「違いますよ、“ヤキモチ焼く自分”と、それに振り回される私を楽しんでるだけなんだから!」
ノロケ半分な奥様トークにひとしきり花を咲かせていると。
「はーるーかちゃん」
ドアから顔を覗かせたのは一人の白衣の男性。
ゆるく曲線を描く明るい色の髪に、楽しそうにきらめく瞳。軽妙な雰囲気だけど憎めない感じ。整った顔は見るからにモテそう。冴木先生のクールビューティとは対照的な、けれどかなりのイケメン。
もしかして。
「水瀬先生、ダメですよ。玲一から言われたでしょう?雪姫さんの病室には入室禁止って」
遥さんが笑いながら言う。
やっぱり、噂の水瀬医師なんだ。しかし、どれだけ厳重警戒されてるわけ?
「心外だな。ご挨拶に来ただけですよ。初めまして、雪姫さん。外科医の水瀬陸と申します」
会釈する姿は一見、紳士的で柔らかいけれど。
「それ演技、ですよね」
彼は『人当たりのいい水瀬医師』を演出しているように見える。一瞬の表情はもっと隙が無くて、私のことを見透かすような視線をしていた。きっと体調とか、顔色とか、相手に不安を与えないよう、瞬時に判断していたんじゃないだろうか。
失礼かな、と思いつつ言えば、水瀬先生は軽く目を見開いた。
「さすが、城ノ内君の奥さん」
「水瀬先生、雪姫さんには通用しませんよ。元女優さんなんですから」
やはり彼の本性を知っているらしい遥さんが言う。
その言葉に、水瀬先生はニヤ~っと笑った。
ああ、イケメン台無し。