君の名を呼んで 2
検査入院は一日限りで、私は次の日には退院。
桜里が付き添いに来てくれた。
「桜里、日本に来てたの」
聞けば彼は私に大きな箱を手渡して
「Happy birthday」
と、完璧な発音で言った。
そうか、誕生日を祝いに来てくれたんだ。
箱を開ければ、深い赤色の綺麗なワンピース。エアリエルの新作らしい。
大人っぽいそれは、私に着こなせるのか微妙だけど。
「絶対似合いますよ。君をイメージしてデザインしたんですから」
桜里は甘々なセリフを吐いて私に微笑んだ。
自分の実父とはいえ、ドラマみたい。贔屓目無しに、彼は格好良い。
「てめぇはいちいちやらしーんだよ」
後ろから彼に鋭い毒を吐く、私の旦那様。
桜里は皇に呆れた視線を向けて言う。
「父親に向かってそれはないでしょう。大体君は雪姫におめでとうを言いました?」
……ん?
「言われてない!そういえば、言われてない!」
私がガバッと皇を振り仰いで言えば、彼はしれっと返してきた。
「俺がそういうの言うタイプか?それに誕生を祝うならお前を産んでくれた、お母さんに感謝だろう」
そりゃそうかもしれないけど!
桜里がボソッと呟く。
「その感謝の半分は僕にも権利があると思いますが。ありがとうお父さんと言ってご覧なさい。いやまて、城ノ内君にそんなこと言われた日には、気色悪くて死ぬ。やっぱりいいです」
なんて理屈なの。本当に仲悪いなあ。
桜里が付き添いに来てくれた。
「桜里、日本に来てたの」
聞けば彼は私に大きな箱を手渡して
「Happy birthday」
と、完璧な発音で言った。
そうか、誕生日を祝いに来てくれたんだ。
箱を開ければ、深い赤色の綺麗なワンピース。エアリエルの新作らしい。
大人っぽいそれは、私に着こなせるのか微妙だけど。
「絶対似合いますよ。君をイメージしてデザインしたんですから」
桜里は甘々なセリフを吐いて私に微笑んだ。
自分の実父とはいえ、ドラマみたい。贔屓目無しに、彼は格好良い。
「てめぇはいちいちやらしーんだよ」
後ろから彼に鋭い毒を吐く、私の旦那様。
桜里は皇に呆れた視線を向けて言う。
「父親に向かってそれはないでしょう。大体君は雪姫におめでとうを言いました?」
……ん?
「言われてない!そういえば、言われてない!」
私がガバッと皇を振り仰いで言えば、彼はしれっと返してきた。
「俺がそういうの言うタイプか?それに誕生を祝うならお前を産んでくれた、お母さんに感謝だろう」
そりゃそうかもしれないけど!
桜里がボソッと呟く。
「その感謝の半分は僕にも権利があると思いますが。ありがとうお父さんと言ってご覧なさい。いやまて、城ノ内君にそんなこと言われた日には、気色悪くて死ぬ。やっぱりいいです」
なんて理屈なの。本当に仲悪いなあ。